千早二寄席は満員御礼
千早二丁目町会では10月26日(日)に区民ひろば千早で恒例の千早二寄席を催しました。幸い雨はあがり、会場は満員。拍手や笑い声の絶えない、楽しいひと時を過ごしていただきました。
最初は一龍齋貞心先生のお弟子さん、一龍齋貞昌さんの「木村又蔵」。「鎧の着逃げ」でおなじみの戦国武将木村又蔵がまだ貧しく、親の薬代に困っていたところを加藤清正に救われるという場面の抜き読み。講談に取り組む真摯な姿勢に、皆さん大きな拍手で応えました。

次はおなじみとなったエンジョイJOYさんのパントマイム。お得意の風船を使ったパントマイムやマジックの数々に、会場の笑いが絶えません。驚いたのはJOYさんがバックに流した音楽。千早二寄席のために特別に用意していただいた楽しい歌と演奏でした。音楽と一体となったJOYさんの楽しい演技に、会場は大いに盛り上がりました。

中締めは三遊亭窓輝師匠の落語「茶の湯」です。家督を息子に譲って暇を持て余したご隠居さんが、定吉と一緒になって知ったかぶりで茶の湯の真似事をし、周りが大いに迷惑するという古典の代表的な滑稽話。おかしな茶を飲んで苦しむところなど、表情も豊かに、また丁寧に演じられ、古典落語の世界を皆さん楽しまれました。

休憩をはさんで、錦乃まい師匠の小唄で気分が変わります。三味線にのせて、切ない女の「のび上がり」、そして夏場所の力士にうっとりする女性の気持ちを唄う「勝ち名乗り」、平知盛の潔い最期の一場面を描写する「波の上」。最後は張り出された小唄の文句を見ながら、みんなで一緒に小唄のお稽古。初心者が最初に習うという「お伊勢参り」の調子のよい掛け声を、皆さん楽しんで唄っておられました。

トリは講談で、お馴染み一龍齋貞心先生の名人芸です。演目は明治座、對龍山荘(南禅寺周辺でブラタモリが紹介)、箱根の俵石閣等を手がけた大工棟梁「島田藤吉の出世物語」。途中「市田弥一郎」氏(1874年創業の老舗呉服問屋)との絡みもありました。この演目は八代貞山先生のお持ちだった資料を許しを得て自分の一席にお作りになったとのお話でした。

今回の千早二寄席は19回目でしたが、この後二十年、三十年と続けていきたいとの東町会長の言葉通り、末永く皆さんに楽しんでいただけるよう、今後とも町会役員一同努めてまいります。

